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副院長ブログ

前立腺肥大症で手術を受けるタイミングについて

皆様、こんにちは。小田泌尿器科副院長の小田晃廉です。

今回は前立腺肥大症の治療を受けていて、手術を受けるタイミングについてお話します。

前立腺肥大症に対する手術療法ですが、前立腺肥大症に対して薬物療法をおこなっていても効果が不十分で、中等度から重度の症状がある際、前立腺肥大症によって合併症がある或いは合併症の発症が危惧される場合、に適応が考慮されます。

中等度から重度の症状についてですが、自覚症状として、おしっこをしたあとにまだ尿が残っている感じがする(残尿感)・おしっこをしたあとにすぐに尿に行きたくなる(頻尿)・おしっこをしている間に尿が何度も途切れる(尿線途絶)・おしっこを我慢するのが難しい(尿意切迫感)・おしっこの勢いが弱い(尿勢低下)・おしっこをし始めるためにお腹に力を入れることがある(腹圧排尿)・夜寝てから朝起きるまでにおしっこをするために起きる(夜間頻尿)頻度や回数が多い。検査所見として、尿の流れる速度の低下・排尿後に膀胱に残る尿(残尿)量が多い・前立腺体積が大きいなどが挙げられます。

前立腺肥大症による合併症についてですが、膀胱に尿が貯まっているのに尿が出ない(尿閉)・膀胱炎などの尿路感染症を頻回に発症する・血尿が出る・膀胱結石が出来るなどが挙げられます。

また、他に治療している病気や内服薬の種類も、手術の適応を決める上で重要になってきます。

近年では、前立腺肥大症に対する手術療法は多岐にわたり、ご高齢の方でも身体への負担が少ない手術方法もあります。これらのことを踏まえた上手術を受けるタイミングや手術の方法を決めていただければと思います。