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包茎

包茎とは?病気なの?

包茎とは、陰茎の先端の包皮口が狭く、包皮が十分にむけないで亀頭を露出できない状態のことです。
幼い頃は包茎の状態が正常です。思春期を過ぎると男性ホルモンの影響で性器が発達し、包皮も伸びやすくなるため、大部分の包茎は解消されます。

このようなお悩みはありませんか?

  • 乳幼児健診で小児科の先生に包茎を指摘された
  • 乳幼児健診で包茎の治療を提案された
  • たまに陰茎の先が腫れて赤い気がする
  • 自然に任せていると包皮がむけない
  • 排尿する時に陰茎の先が膨らむ
  • 恥垢(ちこう)が溜まっていて気になる
  • 将来大人になってから子供が悩まないように治しておきたい

包茎の種類と症状

包茎の種類と症状

仮性包茎

通常時は亀頭が包皮に覆われているが、勃起時や、手で包皮をめくった際は亀頭を露出できる状態のことです。
病気ではなく、特に治療の必要性はありません。

嵌頓包茎

包皮口が狭いため、包皮をむいて亀頭を露出された際に、陰茎がこの狭い包皮口に締め付けられる状態のことです。陰茎への血流が悪くなり、亀頭が腫れ激しい痛みが起こります。この状態を放置すると、陰茎が壊死することがあるので早期の治療が必要です。発症早期であれば、用手的に包皮を元の状態に戻すことも可能です。発症から時間が経過していたり、腫れが酷く用手的な処置が困難な場合は、包皮を切開してこの締め付けを解除する必要があります。このような場合は、お早めに泌尿器科にご相談ください。

真性包茎

思春期を過ぎても、包皮をめくって亀頭を露出できない状態が続く場合、これを真性包茎といいます。
勃起時にも亀頭が露出しないので、勃起時の疼痛などで満足のいく性交渉ができないことがあります。亀頭が包皮で覆われているため、射精しても十分な量の精液が子宮に届かず、不妊の原因となることもあります。また陰茎を清潔に保てないことによって、陰茎がん発症のリスクともなります。
真性包茎に関しては、保険診療での手術療法の適応があります。

包茎だったら何が問題なの?

亀頭包皮炎が起こる

包皮の先に炎症が起きることを亀頭包茎炎といいます。
包皮で覆われた亀頭や包皮内は細菌が繁殖しやすく、これにより炎症を起こし治療が必要な場合があります。短期間の抗菌薬の内服や、抗菌薬とステロイドの合剤の軟膏を塗ることで改善します。

おしっこが飛び散りやすい

トイレ包皮口が狭いと、排尿時に陰茎の先端が風船のように膨らむバルーニング現象が起こることがあります。そのためおしっこが予想外の方向に飛び散って、トイレを汚すことがあります。しかしそれ自体で尿の出が悪くなったり、健康に悪影響を及ぼしたりすることはありません。

恥垢(ちこう)が溜まる

包皮の下に白~黄色の塊状のものが溜まっていることがあります。これは尿や皮脂などが混ざってできたもので恥垢といいます。
恥垢は成長に伴って自然に取れるものなので、そのままにしておいて大丈夫です。

包茎の検査・診断方法

包茎の診断に特別な検査は必要ありません。医師の視診・触診と患者さんが感じている症状によって診断されます。

包茎の治療方法

経過観察

幼い頃は包茎の状態が正常で、思春期を過ぎると男性ホルモンの影響で性器が発達し、包皮も伸びやすくなるので大部分の包茎は解消されます。
思春期までのお子さんは、基本的には何もしないで経過観察することをおすすめします。

包皮ほんてん指導

これまでも述べているように、思春期までのお子さんは包茎の状態が正常で、亀頭包皮炎を起こしたりしなければ治療の必要性はありません。しかしながら、「こどもが将来包茎で悩まないか心配」などお悩みのご両親もいらっしゃると思います。そのような場合、包皮ほんてん指導を行ないます。
包皮を手でむいて、むけなくなる狭い部分にステロイドの軟膏を塗ります。最初は包皮から出血を伴うことがあるので、このほんてんは徐々に進めていき、2週間以上継続する必要があります。
また、むいた包皮を元に戻さないと、先に述べた嵌頓包茎になることがあるので注意が必要です。

手術療法

亀頭を覆っている包皮を全周性に切除して、亀頭を露出している状態にする環状切除術があります。
思春期以降の方で、真性包茎の場合は保険診療での手術適応があります。
仮性包茎の方は保険適応がなく、手術希望がある方は自由診療で手術を受けていただく必要があります。

【年齢別】包茎の対処の仕方

~小学生

基本的に治療は必要ありませんが、包皮の中に尿がたまって膨らんでしまったり、包皮の先端が赤くなり痛みがある場合は病院を受診しましょう。

中高生、成人

思春期を過ぎると男性ホルモンの影響で性器が発達し、包皮も伸びやすくなるので、9割以上が仮性包茎の状態になります。
思春期をすぎても真性包茎の状態であれば、陰茎がんのリスクにもなるので手術療法を選択していただいて良いかと思います。
仮性包茎の方は保険適応がなく、手術希望がある方は自由診療で手術を受けていただく必要があります。
仮性包茎は必ずしも手術の必要はありませんが、包茎の状態でいることで自信が持てない、そのせいで性活動に消極的になってしまう、など心理的な面での問題があります。このようなことでお悩みの方は、手術を受ける前に一度ご相談ください。