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性感染症・尿道炎

性感染症とは?

性感染症とは?性感染症(STI:Sexually Transmitted Infection)は、オーラルセックスを含む性行為によって感染する病気の総称です。ウイルス、細菌、原虫などの微生物が性器、肛門、泌尿器、口腔などに接触して感染します。無症状だったり、症状が軽かったりする場合もあり、感染していても気がつかないことがあります。

性感染症の種類

梅毒

梅毒最近、梅毒感染者は男女ともに急増しており、2022年は感染症法に基づく調査が始まって以来最多の患者報告数でした。
男性は20-50歳代、女性は20歳代での報告が多くなっています。
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌に感染して起こります。
主に性行為によって、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。感染から3週間ほどすると初期症状として、性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりや、赤いただれができます。
痛みを伴うことは少なく、これらの症状は治療しなくても自然に消えていきます。感染から数ヶ月経過すると、粘膜や皮膚から浸入した梅毒トレポネーマが血液を介して全身に運ばれることで、手のひらや全身に痛みや痒みのない皮疹が広がります。
これらの症状も自然に消えていくことがありますが、発熱や全身倦怠感などの症状を伴うこともあります。
この状態でも治療をしないでいると、数年~数十年後に脳や心臓に重篤な合併症が起こり命に関わることもあります。
このように、初期の段階では症状が自然に消えていくため見落とされることもありますが、梅毒は早期に検査・治療が必要な感染症です。
問診と患部の診察を行い、採血で梅毒の抗体を確認します。梅毒と診断された場合は、症状の進行状況に応じて2~8週間の抗菌薬の内服治療を行ないます。

性器ヘルペスウイルス感染症

単純ヘルペスウイルスによる感染症で、性器に小さい水ぶくれができ、激痛を伴います。抗ヘルペスウイルス薬の内服で治療しますが、一度感染するとウイルスが体内に潜伏します。
そのため、風邪やストレスなどで免疫力が低下した時に再発することがあります。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルスによる感染症で、性器周辺などに小さなイボができることが特徴です。自覚症状がなく感染に気づかないことがあります。
治療法には、薬物療法と手術療法があります。薬物療法では尖圭コンジローマに治療効果のあるクリームを塗布します。手術療法では、電気メスによってこのイボを焼き切る電気焼却法や、液体窒素による凍結療法を行ないます。目に見えるイボがなくなっても周囲にウイルスが残っている可能性があり、再発することも多くある感染症です。再発しても根気よく治療を続けていくことが大切になります。

性器カンジダ症

真菌の一種のカンジダが、性行為で性器に感染することでおこります。女性に多く見られ、性器周辺の痒みや排尿時・性交時の痛みがでることがあります。抗真菌薬の内服や軟膏を塗布して治療します。

尿道炎とは?どんな症状・原因?

尿道炎とは?どんな症状・原因?主にクラミジアや淋菌など、性行為で感染する細菌が尿道に感染して炎症を起こす病気です。男性に多く、排尿時の痛みや違和感、尿の出口から膿が出ることもあります。

症状

排尿時の痛みや違和感、尿の出口から透明~黄色の膿が出ることもあります。
一般的に、クラミジア性尿道炎は、感染してから症状が出るまでの期間が長く症状が軽微であり、淋菌性尿道炎は、感染してから症状が出るまでの期間が短く症状が強いと言われています。症状がない、或いは軽微な場合に治療をせずに放置されていることもありますが、パートナーに感染させたり、将来的な不妊のリスクにもなります。

原因

クラミジアや淋菌など、性行為で感染する細菌がほとんどです。オーラルセックスを含む性行為で、パートナーの陰部、口腔の粘膜に接触することで尿道から細菌が侵入します。
大腸菌などの常在菌が尿道に侵入して感染することもあります。

尿道炎になった…自然治癒する?いつ何科を受診する?

尿道炎は、自然治癒することはありません。尿道炎が疑われる症状があれば、泌尿器科を受診しましょう。
性行為歴がない場合でも早めの受診が大事です。また、パートナーが性感染症と診断された場合、同時感染している可能性もあるため、一度検査が必要です。

当院で行う性感染症・尿道炎の検査

尿検査

尿中の炎症性細胞(白血球)の有無を調べます。

尿培養検査

大腸菌などの常在菌や、淋菌の感染を調べる際に行ないます。

尿PCR検査

クラミジアや淋菌感染を調べる際に行ないます。

治療方法

治療方法クラミジア性尿道炎の場合は、抗菌薬の内服となります。
淋菌性尿道炎の場合は抗菌薬の点滴治療となります。どちらも1日の治療で良くなることが多いですが、薬剤に耐性がある場合があります。症状が遷延する場合は、抗菌薬の変更を行ないます。しっかり治癒したことを確認するため、治療後に尿PCR検査を再検し、陰性化を確認することが大切です。
大腸菌などの常在菌感染の場合は、抗菌薬の内服を数日~1週間程度行ないます。