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精巣上体炎

精巣上体炎の症状

精巣上体炎の症状には以下のものがあります。

精巣上体炎の症状
  • 陰嚢が腫れている
  • 陰嚢に触れると痛みを感じる
  • 陰嚢が熱を持っている
  • 38℃以上の高熱や悪寒
  • 陰嚢の皮膚が赤みを帯びて腫れて固くなる
  • 太ももの付け根や下腹部の痛み など

このような症状をお感じの際は泌尿器科へご相談ください。

精巣上体炎とは?

精巣上体炎とは精巣上体炎とは、尿道から精巣上体(精巣の後ろ側にある部位)に細菌が入り込み、精巣に炎症を起こす病気です。
精子は精巣で作られ、精巣上体から精管という管を経由し、前立腺から分泌される前立腺液と混ざって精液になります。
精管は尿道内に射精管として開口しており、精液は射精時に尿道の外へ排出されます。
精巣上体炎では、細菌がこの精子の通り道を逆行して精巣上体に達すると考えられています。

急性精巣上体炎

精巣の腫れや、赤み、疼痛、下腹部の痛みが認められます。
また全身症状として38℃以上の発熱や悪寒、全身の倦怠感が認められます。

慢性精巣上体炎

急性精巣上体炎が長引いて起こる慢性的な炎症で、陰嚢の不快感や鈍痛が持続します。
こちらはほとんどの場合、経過観察で問題ありません。

急性精巣上体炎の原因

急性精巣上体炎の場合、原因は年齢によって様々ですが、細菌が精巣に入ることが原因となることが多いです。
精巣上体炎ではその感染経路として、膀胱、尿道、前立腺に細菌が感染し、細菌がこの精子の通り道を逆流して精巣上体に達すると考えられます。

若年男性

若年男性の場合は淋菌やクラミジアなど、性感染症の原因となる細菌によるものが多いです。

小児

成人のように細菌感染を認めない原因不明のものが多いです。
アレルギー性紫斑病や、先天性疾患が原因となっている場合もあります。

高齢者

高齢者の場合、前立腺肥大症などによる排尿障害で尿路感染症を起こしやすくなり、急性精巣上体炎の発症につながる場合があります。

精巣上体炎の検査・診断

尿検査

炎症性細胞(白血球)の有無などを検査します。

尿培養検査

尿中に繁殖する細菌の種類を確認します。

尿PCR検査

クラミジアや淋菌感染が疑われる時に行います。尿中の、目的とする細菌のDNAの有無を調べる検査です。

超音波検査

精巣の腫れや、精巣への血流の有無などを確認します。小児で陰嚢の腫れや痛みを訴える病気の中で、精巣上体炎と精巣捻転の鑑別は非常に重要になります。精巣への血流が確認できる時は精巣上体炎を疑います。

精巣上体炎の治療方法

抗菌薬の投与

抗菌薬尿培養やPCR検査を提出し、原因菌の検索を行った上で、想定される原因菌に対する抗菌薬の投与を行います。軽症の場合は抗菌薬の内服で治癒しますが、抗菌薬の点滴が必要となる場合があります。
検査結果次第で抗菌薬の変更を検討します。

安静・冷却

安静・冷却出来るだけ安静にし、腫れている精巣を冷却することで早期に治癒するといわれています。

どのくらいで治る?

症状の程度によって治療期間は異なりますが、通常は7日程度の抗菌薬投与を要します。
まれに重症化し、陰嚢内に膿が貯留する膿瘍を形成する場合があります。この場合には膿瘍の切開処置も必要となり、治療が長期化することもあります。

精巣上体炎は自然に治る?

精巣上体炎を治療せずに放置していると、上に述べたように陰嚢に膿瘍を形成し、さらに悪化すると周囲の組織にも感染が及んで命に関わることがあります。しっかり治療をすることが大切です。

治療後のしこりはどうすればいい?

精巣上体炎で生じた腫れは治療により痛みがなくなった後も、しばらくしこりとして残ることがあります。やがては小さくなるのですが、それまでに時間がかかることが多いです。
痛みがなく、その他の症状も改善しているようであれば基本的にはそのままとしても問題ありません。