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副院長ブログ

女性における頻尿について

皆様、こんにちは。小田泌尿器科副院長の小田晃廉です。

今回は、女性の頻尿についてお話します。

頻尿を来す疾患は様々あり、女性の場合では過活動膀胱、神経因性膀胱、膀胱炎などが挙げられます。各々の疾患で治療法は変わってくるため、まずはどの疾患での頻尿かを判断する必要があります。

膀胱炎は、頻尿以外に排尿時痛や残尿感などの症状を伴うことが多く、尿検査で尿中の白血球数の増加があり、抗菌薬で加療を行います。膀胱炎の場合は治療後に速やかに症状の改善を認めます。

神経因性膀胱は、排尿後にも残尿がある事で頻尿を来しており、超音波検査などで残尿の有無を確認します。尿道を広げ排尿状況を良くする治療薬や、薬物療法でコントロールが難しい場合には、間欠的自己導尿などで排尿管理を行う事もあります。

過活動膀胱は、急に起こる我慢出来ないような尿意(尿意切迫感)を感じる疾患で、膀胱に十分尿が溜まっていないのにトイレに行きたくなります。尿検査や超音波検査では、先述の膀胱炎や神経因性膀胱を示唆するような所見を認めません。治療法には主に行動療法と薬物療法があります。行動療法として、過活動膀胱は生活習慣と関係があると言われており、肥満・運動不足・喫煙・飲水やカフェイン摂取過多、便秘などの改善が有効とされています。尿意を感じてもすぐにトイレに行かず、少しずつ排尿間隔を延ばしていく膀胱訓練も有効です。初めは5分程度排尿を我慢し、我慢出来るようになれば5-10分ずつ伸ばしていき最終的に排尿間隔が2-3時間になるように訓練します。薬物療法としては、膀胱の拡張を促進したり、膀胱の収縮を抑制するような薬剤を使用して治療を行います。

このように、一言に頻尿と言っても様々な原因が考えられ、対処法や治療法も異なりますので、頻尿でお悩みの際は医療機関への受診をお勧めします。