TOPへ

副院長ブログ

尿路結石の再発予防法について

皆様、こんにちは。小田泌尿器科副院長の小田晃廉です。

今回は尿路結石の再発予防法についてです。

尿路結石は、尿の中に含まれる物質が腎臓の中で結晶を作り、たんぱく質などと結合したものです。
結石が尿管で詰まると、背中、わき腹や腰、下腹部に激しい痛みを感じ、「痛みの王様」とも言われています。
結石は小さいものなら自然に体外へ排出されることもあり、大きなものは手術などで破砕・除去して治療します。

尿路結石は再発しやすい病気で、発症には生活習慣が関わってきます。結石の種類によって予防法が異なることもありますが、肥満・高血圧・糖尿病・高脂血症など生活習慣病が関連すると言われています。バランスのとれた食生活、喫煙や過度の飲酒を控え、適度な運動を行い、生活習慣病の予防や管理をすることが大切です。具体的な予防法ですが、結石の種類に問わず、水分を多く摂取することで尿量が増加し、尿管結石再発予防の基本となります。1日に2L以上の水分摂取を心がけましょう。特に、汗をかく夏場は注意が必要です。

日本人に多いシュウ酸カルシウム結石の再発予防法として、シュウ酸の摂取量を減らすことが挙げられます。シュウ酸が多く含まれる食材として、ほうれん草、キャベツ、レタス、ブロッコリーなどがあります。シュウ酸は水溶性であり茹でることで減らすことができます。また、カルシウムと一緒に摂取することでシュウ酸の吸収を減らすことができます。1日600-800mgのカルシウム摂取が推奨されており、一般的に牛乳や豆腐100g中に約100mgのカルシウムが含まれています。動物性たんぱく質と塩分を控えることでカルシウム結石の再発予防となると言われており、脂質を多く含む食品の摂取によって結石再発のリスクになるという報告もあります。その一方で、魚の脂に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)は、結石再発のリスクを下げるという報告もあります。

繰り返しになりますが、これらの事に注意しつつ、十分な水分摂取、バランスの取れた食生活を心がけてみてください。